こんにちは。
はじめてのコピーライティング小比井 雷太です。
さて、今回は、チャルディーニ理論の心理学について話を進めたいと思います。Robert B. Cialdini博士は、その著書、「影響力の武器」とても有名になっています。
説得の心理学とも言われている、チャルディーニ理論の心理学。マーケティングにおいても重要な心理学です。
そんなチャルディーニ理論とは、いったいどのようなものか、そして、そのポイントはどのような心理学が元になっているのか。少し見ていきましょう。
チャルディーニ理論の心理学
チャルディーニ理論の心理学とは、ロバート.B.チャルディーニ博士が作り上げた、説得力に関する、6つの項目のこと。この理論について、心理学的なアプローチを通じて、本質的な行動原則を把握しようとしています。
人間の意思決定の根幹をなす、説得、そして、それに対する認知について更なる深みを探索しようというのがチャルディーニ理論といっても過言ではないでしょう。
それでは、チャルディーニ理論の心理学について、細部を見ていきましょう。
(参考:好意度と好感度。チャルディーニの法則をアフィリエイトブログで活用)
チャルディーニ理論の6つの心理学的分野とは
チャルディーニ理論は机上の理論だけではなく、robert b. cialdini博士が実際に現場に入って、フィールドワークを通じて導き出された生の体験が元になっています。
例えば、チョコレートを嫌いな、robert b. cialdini博士がいつの間にか、子供からチョコレートバーを買ってしまっていた話も、博士自身の実体験。それを基に、学内で議論し、研ぎ澄まされた結果が「影響力の武器」の中に掲載されているのです。
つまり、影響力の武器は、単なる理論集とか、ハウトゥー本ではなく、実際に起こったことを基にした、実体験集なのです。
そこから導き出される、「チャルディーニ理論」は、もちろん、現場の生の心理がふんだんに持ち込まれています。
少しだけ紹介すると、「カチッ・サー」に関する体験談、宝石屋の話もそうですよね。なかなか売れない宝石を半額セールで売ってしまおうとして、ちょっとした手違いから、2倍の値札を付けたら、一気に売れてしまったこと。
これも、単なるミステイクから起こったことですが、この体験を基に、心理学として紐解けば、一気に理論になり、ビジネスの成功哲学にも変わります。
このように、実体験を基にした心理学を中心に展開されているチャルディーニ理論。知れば知るほど、面白くなり、手放せない理論です。
さて、このチャルディーニ理論は、6つの大きな枠組みではありますが、その前提として「カチッ・サー」という自動反応理論があるのでそこから説明しましょう。
(参考:心理学はコピーライティングスキルの基本!行動心理学に学ぶ基礎一覧50+α)
自動反応
まず、チャルディーニ理論として、「カチッ・サー」という自動反応があります。これは、このチャルディーニ理論を構成するバックボーンとして横たわる理論で、心理学的には、ヒューリスティックとか、認知バイアスと呼ばれるもの。
熱いものを触ったら、反射神経が反応して手を引っ込めるように、ある刺激があったら思わず行動してしまうというもの。
例えば、衝動買い。理論なんてないように思いますよね。でも、衝動買いをしてしまうことにも、理論があるのです。そのバックボーンには、「カチッ・サー」という自動反応。買わずにはいられない心理になっているのです。
この「買わずにはいられない」という心理をまとめたのが、次の6項目。それでは、返報性の原則から見ていきましょう。
返報性
返報性とは、お返しをしないと気が済まないという心理。物をもらったら返すのが当たり前だし、手助けしてもらったら、そのお礼もしたくなる。
反対に、嫌なことをされると、それを返したくなるし、抑え込まれると、反発したくなる。
これは、相手を好きか、嫌いかということには関係なく、何かしてもらうという刺激が引き金になり、その対価を精算したくなるという貸し借りを残したままではいられない人間心理なのです。
これは、社会的に醸成されたともいえる心理で、もらうだけもらってお返ししない人は、反社会的な人物としてみなされます。そうすると、自分が社会の中で、生活するのに困ることになる。
だから小さい時から、親や先生から耳にタコができるくらい、もらったらお返しをするというしつけを受けて成長するのです。そうすると、自然と、何かもらったら、返すのが当たり前。という理屈があなたの心の中に植え付けられてしまうのですね。
一貫性とコミットメント
一貫性とは、一度とった行動と同じ行動をとり続けることを指します。
例えば、昼御飯にいく店はいつも同じ店に行ってしまうとか、いつもメニューはA定食とか、通勤電車でのる車両が同じといったように行動を変えることに抵抗があるということです。
新しいものを追いかけるのも、一見、一貫性がないように感じますが、新しいものを追いかけるという一貫性を持っていることになるのです。
そして、この1つの行動を取り続けるという人間の心理は、周囲に宣言すること、つまりコミットメントすることで強化されます。
「私って流行を追いかけるのが好きなタイプなの。」
そう、普段から言い続けていると、流行から外れたことが出来なくなってしまうのです。
それは、生死を分けるギリギリのクリティカルな生活をしている時には、思いもよらない行動をとると、その集団全部に死をももたらす結果にもなりかねません。なぜなら、いきなり思いもよらないことをするような一貫性のない行動は、集団としての輪を乱し、統率を欠き、危険に対応するアクションが遅れてしまうから。
だから、生物として一貫性のある行動が求められるし、自らも一貫性を持とうとしてしまうのです。
これが、一貫性の法則です。
これは、社会のニーズがもたらす心理学ですが、次の社会的証明でもそれが顕著に現れています。
(参考:一貫性の原理の源、認知的不協和がマーケティング、コピーライティングを制する!)
社会的証明
社会的証明とは、社会的に認知されていて、良い評価を与えられている状態であれば、良いものであると自動的に判断してしまうこと。
例えば、行列のできているラーメン店と、閑散としているラーメン店の二つを比べた場合、行列のできているラーメン店の方が、おいしいラーメンを出してくれると勝手に判断してしまうのです。
これは、お客様の声もそうです。ある商品の広告に多くの人が、良い商品だと表明していたとしましょう。例えば、ダイエットサプリで、「私もこれでー10kg体重が減りました。」と言ったように、他人でも、その体験談や感想がいっぱい書いてあると、読み手は安心するのです。
- みんながやっている事だから間違いない
- 少々胡散臭く感じるが大丈夫だろう
- こんなに多くの人がやっているなら本物だろう
そう感じてしまうのです。この心理を、チャルディーニ理論では社会的証明と言っています。
この状態になると、読み手の心理状態に、次で説明する「好意」という感情も現れ始めていると言えるでしょう。
(参考:ブログ収入を得るなら社会的証明の原理、事件に学ぶ!チャルディーニの本、影響力の武器)
好意
好意とは、読んでそのままなのですが、好感を抱いている相手ほど、説得されやすくなるのです。あなたも、この経験をしたことがあるのではないでしょうか。
例えば、好意を寄せている人から「ちょっとこのレポート、まとめるのを手伝って」と言われたら、できる限り手伝ってあげたくなりますよね。反対に、嫌いな人から同じことを頼まれたら、どうでしょう。
おそらく、好意を寄せている人から言われた時に比べて、やる気が半分以下になるのではないでしょうか。もしかすると、やってもいいと思えることでも、やりたくなくなるかもしれません。
このように、相手に抱いている好意の感情の度合いが、あなたが投げかける依頼に対する成功率に比例します。反対に嫌悪の感情も、やりたくなくなる度合いが比例することも確かにあるのです。
このような人間の感情と行動の関係の心理学をチャルディーニ理論では、「好意」と呼んでいます。この好意を上書きできる強力な影響力を持つものが、つぎの「権威」です。
(参考:チャルディーニの影響力の武器「好意」コピーライティング基礎スキル)
権威
権威とは、専門家や社会的に評価されている人々の論じている言葉は、読み手の認識を無条件に上書きしてしまうということです。
例えば、医者に「あなたは、家族性異型多発母斑黒色腫症候群ですので、日焼けを伴う外出は控えた方がいいかもしれませんね。」と言われたとします。わけのわからない単語ですが、なんとなく、外出してはいけない気になりませんか?
また、学校の先生から「君は、基礎ができていない。だから、教科書をもう一度最初から読み直して、基本を覚え直すべきだ。」と言われたら、実際に読み返すかどうかは別にしても「ああ、自分は、基礎ができていないんだ。」と思ってしまうのです。
医者にしても、学校の先生にしても、権威ある人が下す評価が正当であるかどうかは議論されず、そのまま納得してしまうのが、権威の効果。
このように、権威のある人からの言葉は、鵜呑みにされやすい。だから、広告では、できるだけ、専門家の評価や、説明書きを載せるようにしています。
隣りのおっちゃんが、この「ダイエット茶、いいよ」、というより、理化学研究所の研究員がコメントした、「このダイエット茶に含まれる成分には、脂肪を分解する効果があります」といった方が信ぴょう性が高くなるのです。例え、同一人物のコメントであったとしても、です。
権威ある人の言葉は、疑うべきではない貴重な言葉として尊重されてしまうのでしょう。それでは次に、希少性の影響についてお話しますね。
(参考:権威性の法則とは!チャルディーニ心理学の影響力の武器)
希少性
希少性とは、貴重なものであると、欲しくなるという心理。一般的に出回るものだと、余り欲しくはならないのです。
例えば、世界最大のカリナンダイヤモンドのように、入手困難なものほど、その価値は高くなり、購入意欲が高まります。この良い例があります。それは、友人の衣料品の店の仕入れ方法。その仕入方法とは同じ服の仕入れをほどんどしないという仕入れ方法。
そうすると、すぐに、最後の一着になりますよね。つまり、「他の人が買ってしまって、無くなるかもしれない」、「今買わなければ、買う機会を失うかもしれない」、そう思うと、すぐに売れるのです。それも、高値で。値引きなどする必要は全くありません。
影響力の武器の中でも同じことが言われてます。冒頭でも話した、宝石店の話ですが、価格が2倍になったことで、その商品が売れ始め、残っている商品も、いつ売り切れてしまうかもしれない。そう思うからこそ、あっという間に売れてしまいます。
よくある販売方法としては、限定20個とか、今月末までのセールなど、個数や、期限を区切り、今しかないという稀少性をアピールすることがよくありますよね。
このように、6つの項目に沿ってチャルディーニ理論をお話してきました。このチャルディーニ理論の心理学は、とても人間の原則的な購買の感情に基づいた実践的な心理学なのです。
(参考:希少性の原理とは!チャルディーニ「影響力の武器」の具体例とその解説)
それでは、そのチャルディーニ理論を創り出した、robert b. cialdini博士についてお話ししましょう。
robert b. cialdini博士について
robert b. cialdini博士は、アメリカの社会心理学者で、人格社会心理学協会の会長であり、influence at work社のCEOでもあります。心理学会でも大きな影響を与える有名な人物です。
ウィスコンシン大学を卒業し、ノースカロライナ大学で博士号を取ったのち、対人影響過程や援助の意思決定、社会的規範などに関する多くの研究結果を積み上げてきました。
1991年から日常で起こる色々な場面を切り取って研究し、また、研究材料になりそうな活動組織に所属してフィールドワークを行い、人が説得される原因となる理由を3年をかけて研究しました。
その結果が、「影響力の武器」という本です。この本は、世界33の言葉に翻訳され、300万部を売り上げる大ベストセラー。心理学関係者だけでなく、マーケティング関係者を含むビジネスの教科書として多くの人の指針となる行動原則を明らかにしています。
(参考:チャルディーニの法則。影響力の武器から学ぶビジネスにおける心理学の理論)
まとめ
以上「チャルディーニ理論の心理学!Robert B. Cialdini」でした。
それでは、説得の心理学が書かれた、影響力の武器を読めば、更なる深みのある広告が作れるようになりますよね。
(参考:影響力の武器の第二版と第三版との違いはここ!チャルディーニ理論の6つの原則)
それでは、これからもコピーライティング生活、楽しんでいきましょう!
はじめてのコピーライティング 小比井 雷太
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