こんにちは。
はじめてのコピーライティング小比井雷太です。
ゴーレム効果って知っていますか?ゴーレムと聞くとついゲームを思い出してしまうのですが実はこのゴーレム効果、コミュニケーション効果のひとつなのです。
ゴーレム効果とは何かについてその由来と実験、批判から、分かりやすく説明します。そして、コピーライティングに使える心理学として、活用例も紹介していきますね。
ゴーレム効果とその由来とは
ゴーレム効果(golem-effect)とは教師、上司から期待されていなかったり、悪い印象を持たれていたりすると、能力が伸びずに落ち込む心理効果のことです。ピグマリオン効果が発表された後、反対も実は正しいのではないかと考えたことがゴーレム効果の由来で、始まりです。
ここからゴーレム効果のゴーレムとは、ヘブライ語で「形なき者」という意味の泥人形で、ユダヤ教の伝説にある者です。ゴーレムとは造った人の言いなりで動く泥人形だけれど、実は、額に貼られた5枚の護符のうち1枚でもはがされると術が解け、土に戻ります。
ゴーレムは力は強いけれど、命令者の言いなりに動く頭脳のない泥人形。こんなところから、教師に見放されて能力が下がる様子を当てはめたのです。ゴーレムの額には、emeth(真理)という5つの文字が刻まれていますが、その文字のうち最初のeを消すとmeth(死)となり、元の土に戻るというところから、期待せずに無視しているのは相手は死んだのと同然だという意味も含まれています。
ゴーレム効果の具体例
実は、何気ないやり取りでも相手を無視し、傷つけていることがあります。教師が生徒に対する言葉、親が子供に欠ける言葉、相手を無視したような言動ってついやってしまうのです。
例えば、ともに成績もスポーツも抜群の兄弟の話です。弟がたまたま部活で帰りが遅くなったところを見た近所の人が、弟は遊んでいると言いふらしたのです。
そのうわさが親の耳に入り、兄はいい子なのに、弟はダメだという烙印を親が押してしまったのです。それから、弟の成績はどんどん下がっていく一方。運動も伸び悩んでしまいました。
こんな風に、ちょっとしたすれ違いでしかない事でも、比較すると、悪く評価をされてしまう方は、伸び悩んだり、成長がストップしてしまったり、最悪の場合、今までできたことすらできなくなるほど悪化してしまうのです。教師や親はどうしても比べてしまいがちになるのですが、ゴーレム効果を発動させないためには、悪いところにばかり目を向けず、良いところも評価してあげることが大切でしょう。
ゴーレム効果と対照的なピグマリオン効果
ゴーレム効果は相手対する無関心や能力がないとみなすことで、相手のやる気・能力が下がってしまうという心理効果です。これと全く反対の心理効果がピグマリオン効果。
ピグマリオン効果とは、相手に対して期待を持つことで、相手のやる気、モチベーションが上がって、相手の成績、能力が上がるという心理効果。ゴーレム効果とは全く反対ですね。
つまり、相手に結果を出させる仕組みがピグマリオン効果で、相手の能力を閉じ込めてしまう仕組みがゴーレム効果。意図せず出てしまうことが多い2つの心理効果ですが、コントロールしていくことも必要です。
(参考:ピグマリオン効果とは!その具体例と実験、逆効果そして、批判。)
ゴーレム効果の批判
ゴーレム効果の批判は、ピグマリオン効果から派生したこともあり、ピグマリオン効果と同じ批判が言われています。その批判とは次の通り。
- 実験に信頼性がない事
- 外的な要因を無視している
- あたりまえのことである
このような根源的な批判もあるのですが、今でも意義のある心理効果として活用されているのは、実績があるからではないでしょうか。学問としての理論として成り立たなくても、未科学であったとしても、実用で使われる知識としては十分に役立つ知識だから今でも使われれるのでしょう。
コピーライティングに使える心理学、ゴーレム効果
コピーライティングにゴーレム効果を使うのは、心理的に相手に揺さぶりをかける時に使えるでしょう。コピーの中では、ピークエンドの法則を利用するために、見込み客の心を落とすことも必要になります。
ピークエンドの法則とは、人の記憶はピークとエンドで植え付けられた記憶がすべてであるということ。なにか、物足りないエンドを演出し、あなたの商品を購入することで最後のパーツが埋まるという感情に持っていくための手法を利用するなら、途中で、心理的に落ちるところを作ることで、程よい落差を生まれます。
そのためには、ゴーレム効果を利用し、一度は希望を打ち砕くことも必要でしょう。見込み客がしがみついているロープではだめで、それを手放してあなたが薦めるロープにつかまるように促さなければ、成果は上がりにくくなります。
見込み客が捕まって放さない現状のロープが切れそうで弱いロープであると思わせるには、ゴーレム効果はとても便利。相手を無視し、能力がないことを伝えたら、自然と落ち込んでくれるのですから。
現状認識ができてこそのピークエンドの法則であり、状況分析ができてこその購買意欲の向上。すべては、成果を上げるため、エンドのため、見込み客ににコピーを作るべきですよね。
ただし、危険な処方箋であり、諸刃の剣でもあります。本当にやる気をなくしたら購入意欲もなくすし、そもそもあなたレターを読むのも苦痛になるでしょう。だから、そのあたりのさじ加減、落としてもちゃんと救い上げる飴とムチの使い分けが必要です。
(参考:ピークエンドの法則とは)
まとめ
ゴーレム効果とは、ピグマリオン効果の裏返し。ピグマリオン効果が期待で相手のモチベーションを高めることなら、ゴーレム効果は、無視や能力の見限りで相手のモチベーションを下げること。
人は幸福を得ることより、持っているものを失う恐怖の方が2倍以上強い感情を引き起こします。持っているものをなくしたくないのですね。この感情を利用するために使われるコピーライティングとしてのゴーレム効果。
ゴーレム効果のネガティブ面だけを見るのでなく、それをポジティブに変えていくだけの力を身につけていきましょう!
今回も最後までお読みいただきましてありがとうございます。それでは、引き続き、コピーライティング生活、楽しんでいきましょう!
はじめてのコピーライティング 小比井 雷太
(参考:心理学に学ぶコピーライティング基礎スキル一覧50+α)
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