ローボールテクニックとは!ビジネス営業で使える心理学


こんにちは。

はじめてのコピーライティング 小比井 雷太です。

ビジネスで使われるローボールテクニック、名前は聞くけどどんなものかよくわからない。そんなことはありませんか?

ドア・イン・ザ・フェイス法や、フット・イン・ザ・ドア法と並んで交渉術の3大テクニックと呼ばれます。よく使われている方法です。

それでは、ローボールテクニック、見ていきましょう。

 

ビジネス営業で使われるローボールテクニックとは

 

ローボールテクニック(low ball technique)とは、「取引相手に好条件を提示し、その取引を承諾させた後でその好条件を取り消してなかったことにする」という手法です。特典除去法ともいわれます。

名前の由来はいきなり投げられたら受けられないような高い球も低い球から徐々に上げていけば、受けれるようになるということが語源のようです。

つまりローボールテクニックはこのような流れになります。

  1. 好条件を提示して取引を持ち掛ける
  2. その取引を一回成約させる
  3. 最初に付けていた好条件を取り去る

また、変形させた形で

  1. 悪い条件を隠しておいて取引を持ち掛ける
  2. その取引を成約させる
  3. 後から都合の悪い条件を持ち出す。

という形もあります。

我に返ってみると、最初の条件と違うのだから、その取引自体を取りやめることができるのではないかと思うかもしれません。

ですが、「人は一度決めたことは貫き通す」という一貫性の原則と不協和理論が働くので、まあいいか、一度は受け入れたことだし、少しくらいの変更はいいだろう。とその取引を受け入れてしまう人も少なくないのです。さらに、費やした時間がもったいないと感じるコンコルド効果がその影響を後押しするのです。

 

ローボールテクニックの実験

 

アメリカの心理学者ロバート・B・チャルディーニ氏が頼みごとをしてその承諾率を調べた実験があります。

大学の学生に「明日の朝7時に研究室に来てくれないか」と単にお願いを持ちかけた場合の承諾率は30%だったのです。その実験に対し、「明日研究室に来てくれないか」と頼んでそれを承諾してくれたなら、「その実験は7時からなんだけどいいよね。」と持ち掛けた場合は、56%まで承諾率が上がりました。

ローボールテクニックは、普通に頼んだら断られるようなお願いでも、承諾を得た後に依頼すれば、承諾率が倍近くに上がったのです。

 

ローボールテクニックの使用例

おとり広告

広告で「決算セール50%引き!在庫処分セール」という触れ込みで集客します。実は、「50%引きのセール品は売り切れてしまった」と伝え、条件の悪い商品を売ることができてしまいます

お客さんは、50%OFFの商品が無くても、店にまで来てしまったから、買うことになってしまうのです。

 

勘違い

この商品、今なら1万円引きです。と言われ、購入を決意。で、レジに並んだら、割引がない。よくよく話を聴いてみると、セール対象ではない商品。それで、申し訳ないからと5000円引きの提示を受け購入。

最初の状況より悪い条件ですが、受けてしまっています。

 

携帯電話の契約で

とても安料金のプランがあるからと、申し込む。すると、

  • 「途中解約すると違約金が発生します。」
  • 「○○プランの加入の人だけの特典なので、このプランにも加入が必要です。」

といった悪条件が後からついてくるのもローボールテクニックの一つです。

 

ローボールテクニックとフットインザドアの違い

 

ローボールテクニックとフットインザドアは似たように感じるかもしれません。

フットインザドア法は最初に出す小さな要求を受け入れてもらって、徐々に大きな要求を受け入れてもらい、最終的に本来の目的の要求を受け入れてもらうという手法。(詳しくはこちら>>フット・イン・ザ・ドア法

ローボールテクニックとフットインザドアの大きな違いは内容の提示の仕方です。フットインザドア法は最初に出す要求と後から抱く要求ではその要求の内容が変わります。

ですが、ローボールは最初の要求もあとからの要求も要求自体は変わりません。要求の条件を契約の後から帰るのです。最初から、提示していれば、断られるかもしれないような大きな内容なので、相手に恨まれる、詐欺だと思われるそんな可能性を秘めた手法です。

ローボールのテックニックはどうしても意図的に騙す要素が入ってきます。交渉相手に気づかれてしまうと、不信感しか残りません。その不信感が強くなると、次にはそのお客さんは来なくなってしまうでしょう。信用をお金に変える危険な交渉がこのローボールテクニックなのです。

謝罪も何もない状態だと購入者に不満を残したままにしてしまいます。だから、こちらの手違いでしたとか、伝えるのを忘れていましたとか言ったような謝罪を組み合わせて一度契約を白紙にして購入者の気持ちを和らげていく手法も併せて考えることも忘れずにするべきでしょう。

 

コピーライティングへの展開

 

この方法は直接的に使う機会は滅多に訪れない。特に、ネットでこれをやると、一気に離脱される可能性を高めるし、二度とサイトに立ち寄ってもらえないことになります。

でも、応用するとすれば、道はあります。よくよく、巷にあふれかえっているランディングページを見てください。先着○名は無料とかいった特典、ついていませんか?あの先着って、誰も検証のできません。

ローボールテクニックの手法だったとしても、つまり、その特典が実在していなかったとしても、誰もわからないのです。

ただし、購入した後に、ステップメールが来た場合、その特典が嘘である可能性が非常に高くなります。なぜなら、先着特典がすでに終了しているはずなのに、ランディングページで堂々と公表しているから。これを見た瞬間に騙されたと思うのは、一人ではないはずです。

もしあなたがこの手法を使うのであれば、注意して使ってくださいね。

 

まとめ

 

ローボールテクニックは最初に魅力的な条件を受けます。その条件を最終的に取り除かれるので、見方によれば詐欺的行為です。なので、非常にリスキーな交渉術になります。

このローボールテクニック、フットインザドア法とドアインザフェイス法と合わせて3大テクニックとして広く知られています。それだけ有名なテクニックですが、他の二つに比べて信用を失うことを覚悟しなければなりません。

ローボールテクニックは1回限りのお客さんならともかく、長いお付き合いをしたい相手には使わない方がよいテクニックではないでしょうか。

一度下した決定は、たとえ悪条件になっても固執し続けるという心理を突いた諸刃の剣のローボールテクニック、あなたは自在に使いこなせることができますか?

今回も最後までお読みいただきましてありがとうございます。それでは、引き続き、コピーライティング生活、楽しんでいきましょう!

 

 はじめてのコピーライティング 小比井 雷太

 


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